明和電機社長 土佐信道氏との交流研究会の報告
2007年 10月 17日
10月15日(月)15:00~18:00 品川区立平塚小学校にて、都図研研究局児童作品研究会が行われました。今回は特別ゲストとして、都図研大会中央大会でも研究局の助言者として参加してくださる明和電機社長の土佐信道さんをお迎えしました。12日が台湾での展覧会の初日で、帰国して間もない忙しい時であるにもかかわらずご参加いただきました。
まず土佐さんには、研究局が今まで行ってきた実践や理論、研究テーマなどについて説明を聞いていただき、その後、研究局員が順番に実践題材をいくつか発表して、それぞれに意見や質問を交流する形で研究会が行われました。みなさん楽しい題材を用意してくださり、和やかで楽しい会になりました。
研究会の会場を提供してくださった平塚小学校の宮内先生にも参加していただきました。ユニークで魅力的な題材がたくさんで、関心を集めていました。ぜひ来年は研究局に参加していただきたいです。
題材研究のあとは、土佐さんから気がついた点や意見や感想を言っていただきました。
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「題材が実に豊富ですねー。叩けばどんどん出てくるようです。(笑)」
「これだけの実践はアーカイブしていかないのですか。」
研:本(子ども主義宣言)やWEBでの公開やアーカイブも考えていますが、始めたばかりです。
「カテゴリー別に分類すると分かりやすいですね。WEBを使ってもいいですし、写真は必要です。」
「携帯電話のカメラでも送れる簡単なフォーマットで、手軽に実践をアーカイブできるような環境があったら、膨大なアーカイブができますよ。」
「子どもの作品は、言葉だけでは伝えられないパッションに満ち溢れていますよね。僕も、自分でおさえきれず溢れる情念を伝えるために明和電機の活動を考えたわけで、この溢れるパッションを子どもの作品をあまり知らない人たちにも分かりやすく伝えるためにも、カテゴリーを作って分類してアーカイブしていくことが大切だと思います。」
「作品の結果だけでは伝わらない部分もあわせてアーカイブするのも必要ですね。」
研:アーカイブが進んでくると見えてくるものもありそうですね。
(紀要用に作ったプリントを読みながら)
「まず感じたことは、理念が勝ちすぎて、ビジュアル的な部分が少ないですね。」
「指導案というものを見る限り、図工が楽しそうに見えてきません。文字が多すぎるのでしょうね。」
「伝えることを考えてフォーマットを考えた方が良いかもしれません。」
「ものづくりから考えると、授業中の写真と完成作品だけで自然と理念が見えてくるものですから、ビジュアル的に実践の構造が見えてくるようなフォーマットでいけないでしょうか?」
研:確かにそうですね。ただ指導案と言うものは、フォーマットがある程度決まっていて、教育の中での共通言語のようなもので書かれているので仕方が無い部分があるのです。
「少しCOOLにみることも必要ですね。つまり少し離れて客観的にということです。料理のレシピで例えると、『何を使って、どうやってつくるか』の部分が知りたくなりますね。そこが見えてくると自然と理念も見えてきます。」
研:確かに、理念から入りすぎている傾向がありますね。「思い」が強すぎるというか、そこが肝心だと思って研究をしてきていますから。
「『子どもスイッチ』でも、子どもと何がつながってスイッチが入るのか、というところをビジュアルで分かりやすく見せたいですね。例えば、「スイッチくん」というキャラをつくって、スイッチくんが、何とどこでつながってスパークするのかを図で見せたり。」
「僕の創造のメカニズムは単純でして…。(紙に図をかいて)」
「IN(Receptor)」→f(x)→「OUT(Comunicator)」
情報を受けて、思いつき、発表するというものです。」
「f(x)の部分はつまり関数です。ここで考えたり発想するんです。」
研:スイッチが入るのはここですね。社長の言われている「スパーク」ですね。
「発表したものが、見た人に刺激として入り、その感動が新たな発想を生み、そこから
でたものが、また自分に戻ってくるようなサイクルもできます。」
「最近は、INのあたりの初めの部分が大きくなってきているんでしょうね。
INの部分を半分に分けると、外側の部分です。内側は自分の感覚です。自分の感覚を使って知ることが少なくなっているような感じです。例えば、こんなことがあるそうです。携帯電話のボタンばかり押していて、自分のうちの鍵を回すこともできなくなった人がいる、というような。」
「OUTの部分も外側が肥大化していますね。情報自体が波線化されていて、データがすべてデジタル化され大量生産されやすくなっています。」
「創造性というのは例えると風船のようなものです。中の空気と外の空気がつりあっているから膨らんでいられるわけで、外側と内側が常に行き来することによって成り立っているのです。よく、自分には創造性がない、とか言われる人がいますが、自分が無い人はいないわけで、もしなければ風船は膨らんでいられないですよ。」
研:風船の中の空気を意識できるかできないかは、創造性には大切なことになりますね。
「今度の分科会では、指導案よりもプレゼンテーションでこういった構造的な部分をビジュアルを使って解明するほうがよいでしょうね。自分が世界とどうかかわりあってスイッチが入るか、スパークするのか、様々な実例をもとに接点を探っていきたいところです。」
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土佐さんの活動も私たちと同じく身体性と心のつながりを大切に考えていらっしゃることがよくわかり、大会当日も土佐さんを助言者にお迎えして研究会が持てることが大変楽しみになってきました。
研究会は、17:00終了予定より1時間もオーバーして終わりました。3時間にわたって土佐社長にはお付き合いいただきました。大感謝です。
研究会終了後、明和電機アトリエを見学させていただきました。平塚小学校の音楽の先生も加わり、出張授業の話で盛り上がっていました。
明和電機ホームページ
写真の掲載については許可を頂きました。無断使用禁止
まず土佐さんには、研究局が今まで行ってきた実践や理論、研究テーマなどについて説明を聞いていただき、その後、研究局員が順番に実践題材をいくつか発表して、それぞれに意見や質問を交流する形で研究会が行われました。みなさん楽しい題材を用意してくださり、和やかで楽しい会になりました。
研究会の会場を提供してくださった平塚小学校の宮内先生にも参加していただきました。ユニークで魅力的な題材がたくさんで、関心を集めていました。ぜひ来年は研究局に参加していただきたいです。
題材研究のあとは、土佐さんから気がついた点や意見や感想を言っていただきました。
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「題材が実に豊富ですねー。叩けばどんどん出てくるようです。(笑)」
「これだけの実践はアーカイブしていかないのですか。」
研:本(子ども主義宣言)やWEBでの公開やアーカイブも考えていますが、始めたばかりです。
「カテゴリー別に分類すると分かりやすいですね。WEBを使ってもいいですし、写真は必要です。」
「携帯電話のカメラでも送れる簡単なフォーマットで、手軽に実践をアーカイブできるような環境があったら、膨大なアーカイブができますよ。」
「子どもの作品は、言葉だけでは伝えられないパッションに満ち溢れていますよね。僕も、自分でおさえきれず溢れる情念を伝えるために明和電機の活動を考えたわけで、この溢れるパッションを子どもの作品をあまり知らない人たちにも分かりやすく伝えるためにも、カテゴリーを作って分類してアーカイブしていくことが大切だと思います。」
「作品の結果だけでは伝わらない部分もあわせてアーカイブするのも必要ですね。」
研:アーカイブが進んでくると見えてくるものもありそうですね。
(紀要用に作ったプリントを読みながら)
「まず感じたことは、理念が勝ちすぎて、ビジュアル的な部分が少ないですね。」
「指導案というものを見る限り、図工が楽しそうに見えてきません。文字が多すぎるのでしょうね。」
「伝えることを考えてフォーマットを考えた方が良いかもしれません。」
「ものづくりから考えると、授業中の写真と完成作品だけで自然と理念が見えてくるものですから、ビジュアル的に実践の構造が見えてくるようなフォーマットでいけないでしょうか?」
研:確かにそうですね。ただ指導案と言うものは、フォーマットがある程度決まっていて、教育の中での共通言語のようなもので書かれているので仕方が無い部分があるのです。
「少しCOOLにみることも必要ですね。つまり少し離れて客観的にということです。料理のレシピで例えると、『何を使って、どうやってつくるか』の部分が知りたくなりますね。そこが見えてくると自然と理念も見えてきます。」
研:確かに、理念から入りすぎている傾向がありますね。「思い」が強すぎるというか、そこが肝心だと思って研究をしてきていますから。
「『子どもスイッチ』でも、子どもと何がつながってスイッチが入るのか、というところをビジュアルで分かりやすく見せたいですね。例えば、「スイッチくん」というキャラをつくって、スイッチくんが、何とどこでつながってスパークするのかを図で見せたり。」
「僕の創造のメカニズムは単純でして…。(紙に図をかいて)」
「IN(Receptor)」→f(x)→「OUT(Comunicator)」
情報を受けて、思いつき、発表するというものです。」
「f(x)の部分はつまり関数です。ここで考えたり発想するんです。」
研:スイッチが入るのはここですね。社長の言われている「スパーク」ですね。
「発表したものが、見た人に刺激として入り、その感動が新たな発想を生み、そこから
でたものが、また自分に戻ってくるようなサイクルもできます。」
「最近は、INのあたりの初めの部分が大きくなってきているんでしょうね。
INの部分を半分に分けると、外側の部分です。内側は自分の感覚です。自分の感覚を使って知ることが少なくなっているような感じです。例えば、こんなことがあるそうです。携帯電話のボタンばかり押していて、自分のうちの鍵を回すこともできなくなった人がいる、というような。」
「OUTの部分も外側が肥大化していますね。情報自体が波線化されていて、データがすべてデジタル化され大量生産されやすくなっています。」
「創造性というのは例えると風船のようなものです。中の空気と外の空気がつりあっているから膨らんでいられるわけで、外側と内側が常に行き来することによって成り立っているのです。よく、自分には創造性がない、とか言われる人がいますが、自分が無い人はいないわけで、もしなければ風船は膨らんでいられないですよ。」
研:風船の中の空気を意識できるかできないかは、創造性には大切なことになりますね。
「今度の分科会では、指導案よりもプレゼンテーションでこういった構造的な部分をビジュアルを使って解明するほうがよいでしょうね。自分が世界とどうかかわりあってスイッチが入るか、スパークするのか、様々な実例をもとに接点を探っていきたいところです。」
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土佐さんの活動も私たちと同じく身体性と心のつながりを大切に考えていらっしゃることがよくわかり、大会当日も土佐さんを助言者にお迎えして研究会が持てることが大変楽しみになってきました。
研究会は、17:00終了予定より1時間もオーバーして終わりました。3時間にわたって土佐社長にはお付き合いいただきました。大感謝です。
研究会終了後、明和電機アトリエを見学させていただきました。平塚小学校の音楽の先生も加わり、出張授業の話で盛り上がっていました。
明和電機ホームページ
写真の掲載については許可を頂きました。無断使用禁止
by tozuken
| 2007-10-17 22:39
| 行事・会合など